R100GSリアバッグ 黒 後染め 生成り芯 その2

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前回の「その1」から引き続きまして、完成したものを御紹介致します。

「その1」では大きく脱線して少々書き過ぎたきらいもあり失礼しました。
このリアバッグ類の製作にはいりますと長い期間向きあうことになり、
GSオーナーさんの熱さとその御期待を裏切らないように、自分としても思いが強くなってしまう傾向にあるようです。

作り手のエゴとして、わかってほしいというのは正直あります。
でもそれは「手間が掛かっていますから、高いですよ。」といっているのではなく、その逆です。
その辺の誤解がないようにお願い致します。
革とGSが好き。そういうことで。

今回は反省もふまえ完成した製品の画像を中心に、写真ではわかりにくい部分を文章で補う程度でお送りします。

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リアバッグ自体のディテールは以前記した詳細記事をご覧ください。

今回の一番の特徴は、「後染めの生成り芯のヌメ革」を使用していることです。
表面のブラックと断面の生成りナチュラルのコントラストをお楽しみ頂けます。

色みとしては、元々の生成りナチュラル色を完全に覆うことは難しく、数回の染色を施しておりますが、
それでも漆黒というほどに仕上げることは難しいのが実情です。

コバ断面の色焼けと共に、ブラックのトーンも変化していくことが想定されますので、黒であってもエイジングによる変化や風情を楽しまれるといった付き合い方に適した革といえると思います。

その辺はまた別の機会に装着画像とエイジングについて掲載予定です。

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一番上のカブセを開いた状態。
ボディ後面から続いている内カブセは畳まれた状態です。
画像にありますように、この表カブセの裏側には、見返しを兼ねたポケットになっています。
外周部を縫製することでエッジ部分の補強効果もあり、長期使用に耐えられるよう仕上げています。

見返し/ポケットは深めに出来ていますので、薄い物なら割と大判のものまで収納可能。
車検証や保険証書を防水のクリアファイルにいれて収納されている方もいらっしゃいます。

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こちらは、内カブセを解放した状態。
更に内部には、両サイド面から断ちつながるスライド式の内蓋があります。
内蓋同士が、ガタなくシッカリ重なりあうことで捻じれ剛性を高めています。

厚みのある革にあわせ立体化された幅広ベルトループは、内蓋同士がクリアランスゼロで適度な節度感をもってスライドします。この方式であれば金具接続のような煩わしさもなく、その凹凸がアタリや革の変形などの原因にもなりません。
また収容品の量が多少増えた時でも、無段階に容量の微調整が可能です。

このスライド式内蓋もストーヴルオリジナルの構造です!
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内蓋のスライド部を外すと大きく開口します。この構造ディテールは純正バッグ/リプロ品とも異なるところ。
この四枚のフラップが重なりあうディテールは、欧州エンデューロやラリーバイク用のツールバッグとして存在する定番のカタチ。コンベンショナルなルックスでありながらスポーティーな意匠ともいえます。

画像でも分かるように、建ちあがった四面すべてが厚みのあるヌメ革2~3枚の合板となり、積層枚数によっては1センチを超える箇所もあり、手縫い工程でも難儀するところ。堅牢度はたかいです。

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バッグの固定と開閉をつかさどる二本のベルトは伸びが出ないようネガを出しきり鍛えあげたうえで形に仕上げています。
バッグ本体から取り外し式にすることで、部分補修もし易いように作られています。(壊れませんが)

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バッグ後部。といってもバイクの進行方向でいえばな前面ともいえますね。
シート後のグラブバー側になるところです。
純正バッグだとベルトはリベットで固定されていますが、ループに通して使う取り外し式に。
バッグ本体、ベルト、オートバイ其々に負担が少なく優しい構造に変更されています。

Λ.作るのは数段たいへんになります(笑)。でも良いもの作りたいので、これでいいんです!

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ベルトについても、当方で製作しているウエスト用のベルトと同じように堅牢度重視で仕上げています。
厚みがある革を使用するため、ループ部も通す革に合わせ立体化していますので、おさまりとホールドもよく剣先側があらぬ方向に泳いでしまうこともありません。

バックルは年月と共に雰囲気の増す国産真鍮ブラス製。
アパレル用の副資材にみられるような薄い亜鉛合金やアルミ製のような脆弱さとは趣きが異なります。
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このベルトの剣先の方向性。
これを実現するために、試行錯誤を繰り返しました。

純正バッグでは車体との取り付け方法では、ベルトの取り回し方が逆で剣先が前を向いています。
美観的な部分は置いておいたとしても、構造と造作のアバウトさが起因となって、車体とバッグ双方に負担を掛け合う作用が発生している個体もあり、トラブルの御相談も受けることもありました。
コストと生産性を考えれば仕方のないことかもしれません。でも、ユーザーさん方は思いを込めて使い乗ってらっしゃる。
そうなるとその思いに応えらえるだけの耐久性と作りが必要になると思うのです。

stovl作る物が完璧ということはありませんが、出来る限り深く細かく取り組む事ということをお約束します。
懸案事項を解消するのは前提として、ルックスバランスと風の向きに逆らわないように、後ろ方向(バイクの進行方向の後ろ側)に剣先が向くことも諦めません。

完成してみればシンプルなものですが、形になるまでの脳内妄想や机上空論は苦しくも楽しく、やっぱり苦しいものです。
結局、バランスを崩さずにすべてを解決するには手間と工夫と好きが必要なんですよね。


※どの画像もそうなのですが、
 車体に装着していない状態で撮影していますので、ベルトを締めこんだ形が本来とは異なります。
 個体ごとに装着した状態で採寸してベルトの長さ調整用ピンホールは開けられています。


◎ 2018/1月現在、GSリアバッグシリーズについて、御予約製作を再開しています。 
 御興味あれば詳細にお答えしますので、お問い合わせください。


次回、装着画像や生成り芯の後染めヌメのエイジングについてお知らせの予定です。

結局、2回ではおさまりませんでした。







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# by stovlGS | 2018-01-13 23:28 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

R100GSリアバッグ 黒 後染め 生成り芯 その1

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後染めのブラックのヌメ革使用の製品の掲載は初めてになります。
ストーヴルオリジナルのR100GS専用リアバッグについては、数年前に載せた詳細記事がありますので、そちらと併せて御覧頂けますとありがたいです。
バイクに御興味ない方には退屈なものかもしれませんが、この製作の流れから先日チラッと載せましたウォレットについても表していきますので、よろしくお願いします。


先ずリアバッグ記事が今まで少なかったことの経緯について少し補足。
ここ十年のあいだ、円安・口蹄疫・狂牛病等、その時々の不安定要素の影響で革の原皮価格は高騰をつづけ、その度ごとに革素材の価格も大きく改定されてきました。コスト問題だけでも危機的な状況が続きましたが、それ以上に作るうえで最も大切な「厚みのある良質材の安定的な確保」が厳しくなったことも重なり、リアバッグについては作っていても告知や製作レポートの掲載を殆どしてきませんでした。

ですが、その間にも有難いことに熱心なGSフリークの方々からお問い合わせ/御注文を頂き、今までそれなりの数を作ってきた経験があります。
毎回、少しづつ改良を施し個体ごとに細かな仕様も異なります。ベースとなるカタチは同一とはいえ、それらすべてのディテールを上げていきますと、あまりに多岐にわたってしまうため表しかたも複雑になり、作り手のひとりよがりとなる危惧もあり程々に致しますが、画像だけでも複数枚の掲載になってしまいます。
そんなこともあり、おおきくザックリと二回ほどにまとめたかたちでお伝えしていく予定です。

上の画像は、既に完成したバッグを側面から撮ったもの。
リスペクトもこめて、バイエルンのプロペラマークとストーヴル製オリジナルバッグ。
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依頼主様への製作レポート用と、確認/検証用としての画像ストックはありますが、あまりブログ映えするものではありません。

本製作の集中作業の画というのは作り手からしますと、革の破片と削りくずにまみれながら革への負担軽減を最優先に進めている景色でもあり、人様にお見せしづらいのが我が机上の普段の姿でもあります。

このリアバッグに関しては、スクっと普通に出来ているよう感じてもらうには、結構な下準備と取り組みが必要でして、その部分がマル秘的(そこまで大げさではないけど)というか表しかたが難しいところもあります。
そんな言い訳をあり、今回は組み上げ前の大きなパートが形になったところの画で失礼いたします。

ということで上の画像は、「ベルトパーツ」「両サイドとそれに繋がるスライド可動式内カブセ」パートの半完成状態。

実はここまでくるには、そうですね。3~4日間は掛かっています。
素材調達の選定作業ごとに革屋さんに伺い漉き加工に出すのに丸一日掛かりますし、革が届いてから裁断工程の見究めと実裁断には2日間は掛けますから、それも入れれば実質ここまで一週間近い作業時間が掛かっていることになります。

私が言うのもなんですが、そこまで掛かっているなんて思えないですよね。皆様からしてみれば何で?って感じるのは当然のことだと思います。でも、本当に良いものを作ろうと思うとそうなっちゃうんです。自分の場合。

フルハンドメイドのお財布の量産OEM品であれば、一日で数個の作ることが出来ます。だからといってまったく完成度が低いことはありません。先方様からの納期の都合もあり、良い意味でのディテールの簡素化・コストの制限がある為です。でも、コストを超えた完成度は必ず満たす以上の仕上がりにはしているつもりです。しかしながら、それでもどこかやりきっていないモヤモヤが残るんです。
そんなこともあって、個人のお客様のstovl印の御注文品が完成するまでには最低でも三日以上掛けています。かけた時間と技術量に比例して完成度の向上はありません。ですが、掛ければ掛けただけ、その比率よりも少しづつになりますが、より良いものに仕上がっていきます。牛歩的な完成度向上といいましょうか。

僕が依頼する立場だったら、ただ只急いで作った物では嬉しくないですから。
向きあう時間も大事にしたいと考えています。

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革という素材は、一般的にはファジーといいますか、そのテイストや柔軟性に振った作りをすることが出来るのも事実です。
ですが、硬度があり厚みのある革を用いた造作においては、良いものを作りあげるには正確な数値管理が前程にあって、そこから革の特性を見こした取り組み方が必要になります。
今回の革素材は、それに加えて表面層にのみ色の入った状態ですので、革の伸びや色の染めつけ具合も勘案しながら進めます。

とくに断面から見たときに、染料の浸潤した深さが革の部位や状態ごとに若干のムラとして存在しますので、それを全てはじくのではなくテイストの一つとして取り込むバランスのさじ加減も必要になります。表面染めは断面の見え方が魅力の一つでもあるので、コバを仕上げるときには面取りの角度とコントラストのバランスも鑑みた作業が大切。
ベージュに見えている生成り芯のエイジングも今後の楽しみの一つです。

ストーヴルにとって最も大切なのは、革の傷やシワ・擦れや斑を避けることではなく(もちろん避けていますよ)、その部位の内部や断面の繊維素性がしっかりしているか、長年の使用の後にも使い易さと堅牢性を保っているかが見究めの絶対要件になります。

勿論、自然の革であれば何もネガ要素のない物など存在しません。
そんな天然素材のイレギュラーな条件のなかで、一般的にはネガ要素とされる部位も堅牢性を担保したうえで、テイストとして入れ込むことが、本当の意味で革製品のあるべき姿たなり仕上がると考えています、

シワや擦れごとにその表情や堅牢度は異なりますので、その一つ一つを除くのか採り入れるのかの判断。これが本当にむずかしく、時間を要することも多いです。でも検討するのは数時間~一日くらいまでですから、ユーザーさんが使われるであろう年月の長さに比べれば微々たるものです。

それに良い物に仕上げれば、それだけ御愛用品にして頂ける可能性が高くなると思うんです。
そうなれば、牛さんが動物として生きてきた年数よりも長い期間を製品になってからも存在できると考えれば嬉しいじゃないですか。


おっと、また話が大幅にそれた感じですので戻しましょう。
上の画像は、前述した両サイドパーツと、本体のボディと背面側の内カブセを組み上げベルトが通るループを縫い付けた状態、それぞれ工程ごとにエッジは仕上げ済みです。勿論、最終工程で全体の調整と磨き工程はありますけど、その時ごとに一つ一つ完結して組み上げていくことは精度確保のためにも必要だと考えます。

これで、立体的に組み上げる前段階までの各パートが完了したことになります。
ここから更に難度の高い工程が続いていきます。

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随分とといいますか殆どの工程をはしょっています。
外カブセの外周部を縫製している画なので、手縫い自体は最終段階の様子です。
この後、仕上げとして各部の調整しコバ磨きを施し、車体との取り付けフィッティングと取り付け金具類の作成を、オイル補充と清掃をして完成に至ります。

*カッコつけて一週間位の製作期間とお伝えすることが多いですが、実質10日間以上掛かっていることが殆どです。
 到底一週間では良いものは完成しません。ここが最大の課題です。


縫製工程は、二本の針を用い一目づつ縫い引き締める手縫いクチュールセリエ製法。
糸の太さや針目のピッチ、糸の引きこみ具合による革への負担軽減、堅さや柔軟性の調整、数値化出来ない多くのことに合わせられる製法です。

だからと言って単純に「手縫い」自体を売りにしたものではありません。
手縫い作業よりも、其処に至るまでの下準備のほうがはるかに時間も手間もかかります。
その工程で、殆どの仕上がりまで決まってしまいます。

世間で云われる「手縫い」という謳い文句についても御理解いただきたいです。
【手縫い=良品】これは正しくありません。
技術の満たない手縫いであればミシン縫製のほうが断然素晴らしいものです。
ミシンで仕上げられた物にも良いものはたくさんあります。

自分の場合は、服飾洋裁の世界とは立ち位置の異なるハンドメイドの手縫い製品に触れたことから、今に至っていますので、未だに手縫いへのコンプレックスがあるのだと思います。

革表面にピシッとおさまった美しい縫製ラインを見るにつけ、手縫いに魅せられている自分がいます。
革工芸と捉えた場合では、手縫い製法のほうがより堅牢でメンテナンスや補修性に優れたものが作れることは間違いないと思います。


本日も脱線しまくりました。

画像で雰囲気をお感じください。
続きまして、「その2」になります。
次回はもう完成です。
楽しみに。
ってそんな人いるのかなぁ。










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# by stovlGS | 2018-01-12 18:09 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

現在、諸々の記事を作文中。

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現在、先日お知らせした後染めのバッグと諸々について、まとめ作業をしております。
自分に課した宿題といいますか、記事の予告が増えるばかりでしたので何からお知らせしようかと考えていました。

丁度先日、「後染めのヌメ」について書いたところですし、たまには予告から時間がたってしまうまえに、その辺の関連記事でもと考えています。

画像を探したりもあるんで、もう少し掛かりますが、
「後染めのヌメ」に御興味ある方がいらっしゃれば、お楽しみに!

そろそろかなぁと思いだしましたら、ぷらっと覗きにきてくださいませ。

いつも見て頂いている方ならば、お分かりと思いますが、log記事については未完成な状態でとりあえずアップしちゃうことが多いですので、何度か読み返してもらえると、内容が変わってたり修正されてたりも致します。


Λ.作りあげるまでで、殆どのチカラ使っちゃってますし。
 どれも納めてから年月経っているものばかりなので、カルテ見ながら思いだしながら記すんで、たいしたことは書けません。
 ですので過剰な御期待は禁物です。

 しかしながら製作物自体は、どの作り手よりもシッカリとしたものを完成できるよう取り組んでおりますので御安心を。
 



※.画像はうちの定番、ハーフウォレットのバリエーション。
 スナップ留めのオーダー品、製作中の図。
 このお財布、後染めのヌメ革を使用しています。
 
 このフラップの取り付け方法。うちのオリジナルの「ギザ縫い」と呼んでいます。
 おおよそ20年前から作り続けている構造です。
 当時、使いやすく、無垢の革にあう耐久性に秀でた作り方はないかと考えだした方法なんです。
 
 この方法は、積層構造の効率化(薄型化と革段差解消)・硬貨の取り出しの引っ掛かりづらさ(糸の段差解消と摩擦劣化軽減)といった特徴があります。
  構造的に満たされても、使用感やルックス的なバランスに優れるとは限らないのが、物作りの難しいところ。

 製作難度的には、パターンメイキング・裁断精度・組み上げや穴あけの正確さが必要な構造でもあります。
  

 自信を持って御薦めできる取り付け構造です!
 なんてね。





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# by stovlGS | 2018-01-10 21:02 | Comments(0)

☆ 文章が滅茶苦茶なので 修正しました。

皆様お気づきと思いますが、私ストーヴルサトー文章を書くのが得意ではありません。
製作作業の後に記すことが殆どですが、頭がまわっていない事も多く、
翌日読み返してみると、まぁ酷いもんです。

そういうことが多いので、修正することもあります。
そのままの時もありますが。。

前回のものはあまりにひどいんで大幅に修正しました。
意味が伝わればよいかなぁと考えています。

よろしく。







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# by stovlGS | 2018-01-07 12:22 | Comments(0)

「茶芯」ならぬ「生成り芯」ヌメ革 後染めについて

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ブラックやブラウンのレザー素材を使う場合、表面から裏面まですべてに染料の入った「芯通し」染めのものを採用しています。
今回御紹介するのは、それとは異なる「後染め」の革について。
ここで云う後染めとは、鞣し終わった革素材の表面を染色した物をさします。
上の画像は専門の染め屋さんで染め加工をしてもらったものを荒断ちした状態。

※個々の御希望をうかがって染色加工するため通常在庫の革ではありません。
 現在は大物製作やバッグなど特注品等のオーダー時にのみお選び頂ける染色方法になります。

題にしている茶芯とは、表面が黒でコバ(端の断面)が茶色の物がそうよばれ、とくに靴(ワークブーツ等)の世界では人気のようです。
ワーク・エンジニアブーツに多く使われているクローム鞣しのオイルレザーですが、本来クローム鞣しの革は紫外線や温度による焼け等の変化が少ない傾向にあります。味が出ていると感じるのはオイルによる色の深みやシワの入り方などによって雰囲気が増していくことが良いエイジングとされているのだと思います。(私も好きなテイストです)

今回御紹介している「後染め革」はフルタンニン鞣しのヌメをベースにしていますから、ヌメ革ならではの特徴といえる経年変化により色焼けが進み、
「生成りのベージュ~焦げ茶芯」へと年月とともに味わいも増していきます。

表面だけを染めつけた状態なので、製品に仕上げたときにもツートーンカラー的な表情をお楽しみいただけます。
画像では艶消しの黒に見えていますが、これは素上げのヌメに染料が入ることでマットな表情になっています。製作時に磨き込むことで艶のあるブラックレザーに変化します。

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染色のベースになっているこのヌメ革ですが、実はこの革自体がかなりの良質材なんです。
みためのキレイさだけににとらわれず小キズやスレまで味にしてしまうヌメ本来の強さがあり、張りがある中に粘りと柔軟性まで兼ね備えた革素材です。
あえて欠点があるとすれば少し重いということくらいでしょう。
油分を多く含み鞣しが深いので、ずっしりとした質量感。通好みの素材といえるでしょう。


元々この革は10数年位前までメインに使用していた革の一つで、その手配先が取扱いをやめたことで当方も使用を休止していた経緯があります。
その後2010年頃からヌメの良質材のとくに厚みのある物の確保が課題になり、新たに定番になる革のバリエーションをずっと探してきました。
構想の中で、この革を再度使用することを検討してきたのですが、いろいろあって手配出来ない事情もありました。
※革業界のわかりづらい慣例のようなもののせいもあったと思います。

そうこうしていた一昨年頃、別件で十数年ぶりに伺った取り引き先で、その革のことを何気なく話したところ、「そのタンナーさんの革ならありますよ。」という驚きの巡り合わせがあり。それに加えて半裁でならば染色(後染め、生成り芯の表面染め)についても取りついでくださることになったのです。御縁に感謝ですね。
おかげ様で安心して作り続けることが出来そうです。オーダーの仕様の幅もひろがりました。

是非皆様にも感じて頂きたい革素材です。


Λ.この革で製作したリアバッグについてレポートする予定です。
 コバ色の変化もお楽しみに。








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# by stovlGS | 2018-01-05 23:04 | Comments(0)