R100GSリアバッグ 黒 後染め 生成り芯 その1

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後染めのブラックのヌメ革使用の製品の掲載は初めてになります。
ストーヴルオリジナルのR100GS専用リアバッグについては、数年前に載せた詳細記事がありますので、そちらと併せて御覧頂けますとありがたいです。
バイクに御興味ない方には退屈なものかもしれませんが、この製作の流れから先日チラッと載せましたウォレットについても表していきますので、よろしくお願いします。


先ずリアバッグ記事が今まで少なかったことの経緯について少し補足。
ここ十年のあいだ、円安・口蹄疫・狂牛病等、その時々の不安定要素の影響で革の原皮価格は高騰をつづけ、その度ごとに革素材の価格も大きく改定されてきました。コスト問題だけでも危機的な状況が続きましたが、それ以上に作るうえで最も大切な「厚みのある良質材の安定的な確保」が厳しくなったことも重なり、リアバッグについては作っていても告知や製作レポートの掲載を殆どしてきませんでした。

ですが、その間にも有難いことに熱心なGSフリークの方々からお問い合わせ/御注文を頂き、今までそれなりの数を作ってきた経験があります。
毎回、少しづつ改良を施し個体ごとに細かな仕様も異なります。ベースとなるカタチは同一とはいえ、それらすべてのディテールを上げていきますと、あまりに多岐にわたってしまうため表しかたも複雑になり、作り手のひとりよがりとなる危惧もあり程々に致しますが、画像だけでも複数枚の掲載になってしまいます。
そんなこともあり、おおきくザックリと二回ほどにまとめたかたちでお伝えしていく予定です。

上の画像は、既に完成したバッグを側面から撮ったもの。
リスペクトもこめて、バイエルンのプロペラマークとストーヴル製オリジナルバッグ。
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依頼主様への製作レポート用と、確認/検証用としての画像ストックはありますが、あまりブログ映えするものではありません。

本製作の集中作業の画というのは作り手からしますと、革の破片と削りくずにまみれながら革への負担軽減を最優先に進めている景色でもあり、人様にお見せしづらいのが我が机上の普段の姿でもあります。

このリアバッグに関しては、スクっと普通に出来ているよう感じてもらうには、結構な下準備と取り組みが必要でして、その部分がマル秘的(そこまで大げさではないけど)というか表しかたが難しいところもあります。
そんな言い訳をあり、今回は組み上げ前の大きなパートが形になったところの画で失礼いたします。

ということで上の画像は、「ベルトパーツ」「両サイドとそれに繋がるスライド可動式内カブセ」パートの半完成状態。

実はここまでくるには、そうですね。3~4日間は掛かっています。
素材調達の選定作業ごとに革屋さんに伺い漉き加工に出すのに丸一日掛かりますし、革が届いてから裁断工程の見究めと実裁断には2日間は掛けますから、それも入れれば実質ここまで一週間近い作業時間が掛かっていることになります。

私が言うのもなんですが、そこまで掛かっているなんて思えないですよね。皆様からしてみれば何で?って感じるのは当然のことだと思います。でも、本当に良いものを作ろうと思うとそうなっちゃうんです。自分の場合。

フルハンドメイドのお財布の量産OEM品であれば、一日で数個の作ることが出来ます。だからといってまったく完成度が低いことはありません。先方様からの納期の都合もあり、良い意味でのディテールの簡素化・コストの制限がある為です。でも、コストを超えた完成度は必ず満たす以上の仕上がりにはしているつもりです。しかしながら、それでもどこかやりきっていないモヤモヤが残るんです。
そんなこともあって、個人のお客様のstovl印の御注文品が完成するまでには最低でも三日以上掛けています。かけた時間と技術量に比例して完成度の向上はありません。ですが、掛ければ掛けただけ、その比率よりも少しづつになりますが、より良いものに仕上がっていきます。牛歩的な完成度向上といいましょうか。

僕が依頼する立場だったら、ただ只急いで作った物では嬉しくないですから。
向きあう時間も大事にしたいと考えています。

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革という素材は、一般的にはファジーといいますか、そのテイストや柔軟性に振った作りをすることが出来るのも事実です。
ですが、硬度があり厚みのある革を用いた造作においては、良いものを作りあげるには正確な数値管理が前程にあって、そこから革の特性を見こした取り組み方が必要になります。
今回の革素材は、それに加えて表面層にのみ色の入った状態ですので、革の伸びや色の染めつけ具合も勘案しながら進めます。

とくに断面から見たときに、染料の浸潤した深さが革の部位や状態ごとに若干のムラとして存在しますので、それを全てはじくのではなくテイストの一つとして取り込むバランスのさじ加減も必要になります。表面染めは断面の見え方が魅力の一つでもあるので、コバを仕上げるときには面取りの角度とコントラストのバランスも鑑みた作業が大切。
ベージュに見えている生成り芯のエイジングも今後の楽しみの一つです。

ストーヴルにとって最も大切なのは、革の傷やシワ・擦れや斑を避けることではなく(もちろん避けていますよ)、その部位の内部や断面の繊維素性がしっかりしているか、長年の使用の後にも使い易さと堅牢性を保っているかが見究めの絶対要件になります。

勿論、自然の革であれば何もネガ要素のない物など存在しません。
そんな天然素材のイレギュラーな条件のなかで、一般的にはネガ要素とされる部位も堅牢性を担保したうえで、テイストとして入れ込むことが、本当の意味で革製品のあるべき姿たなり仕上がると考えています、

シワや擦れごとにその表情や堅牢度は異なりますので、その一つ一つを除くのか採り入れるのかの判断。これが本当にむずかしく、時間を要することも多いです。でも検討するのは数時間~一日くらいまでですから、ユーザーさんが使われるであろう年月の長さに比べれば微々たるものです。

それに良い物に仕上げれば、それだけ御愛用品にして頂ける可能性が高くなると思うんです。
そうなれば、牛さんが動物として生きてきた年数よりも長い期間を製品になってからも存在できると考えれば嬉しいじゃないですか。


おっと、また話が大幅にそれた感じですので戻しましょう。
上の画像は、前述した両サイドパーツと、本体のボディと背面側の内カブセを組み上げベルトが通るループを縫い付けた状態、それぞれ工程ごとにエッジは仕上げ済みです。勿論、最終工程で全体の調整と磨き工程はありますけど、その時ごとに一つ一つ完結して組み上げていくことは精度確保のためにも必要だと考えます。

これで、立体的に組み上げる前段階までの各パートが完了したことになります。
ここから更に難度の高い工程が続いていきます。

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随分とといいますか殆どの工程をはしょっています。
外カブセの外周部を縫製している画なので、手縫い自体は最終段階の様子です。
この後、仕上げとして各部の調整しコバ磨きを施し、車体との取り付けフィッティングと取り付け金具類の作成を、オイル補充と清掃をして完成に至ります。

*カッコつけて一週間位の製作期間とお伝えすることが多いですが、実質10日間以上掛かっていることが殆どです。
 到底一週間では良いものは完成しません。ここが最大の課題です。


縫製工程は、二本の針を用い一目づつ縫い引き締める手縫いクチュールセリエ製法。
糸の太さや針目のピッチ、糸の引きこみ具合による革への負担軽減、堅さや柔軟性の調整、数値化出来ない多くのことに合わせられる製法です。

だからと言って単純に「手縫い」自体を売りにしたものではありません。
手縫い作業よりも、其処に至るまでの下準備のほうがはるかに時間も手間もかかります。
その工程で、殆どの仕上がりまで決まってしまいます。

世間で云われる「手縫い」という謳い文句についても御理解いただきたいです。
【手縫い=良品】これは正しくありません。
技術の満たない手縫いであればミシン縫製のほうが断然素晴らしいものです。
ミシンで仕上げられた物にも良いものはたくさんあります。

自分の場合は、服飾洋裁の世界とは立ち位置の異なるハンドメイドの手縫い製品に触れたことから、今に至っていますので、未だに手縫いへのコンプレックスがあるのだと思います。

革表面にピシッとおさまった美しい縫製ラインを見るにつけ、手縫いに魅せられている自分がいます。
革工芸と捉えた場合では、手縫い製法のほうがより堅牢でメンテナンスや補修性に優れたものが作れることは間違いないと思います。


本日も脱線しまくりました。

画像で雰囲気をお感じください。
続きまして、「その2」になります。
次回はもう完成です。
楽しみに。
ってそんな人いるのかなぁ。










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by stovlGS | 2018-01-12 18:09 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)
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