前回の「その1」から引き続きまして、完成したものを御紹介致します。 「その1」では大きく脱線して少々書き過ぎたきらいもあり失礼しました。 このリアバッグ類の製作にはいりますと長い期間向きあうことになり、 GSオーナーさんの熱さとその御期待を裏切らないように、自分としても思いが強くなってしまう傾向にあるようです。 作り手のエゴとして、わかってほしいというのは正直あります。 でもそれは「手間が掛かっていますから、高いですよ。」といっているのではなく、その逆です。 その辺の誤解がないようにお願い致します。 革とGSが好き。そういうことで。 今回は反省もふまえ完成した製品の画像を中心に、写真ではわかりにくい部分を文章で補う程度でお送りします。 リアバッグ自体のディテールは以前記した詳細記事をご覧ください。 今回の一番の特徴は、「後染めの生成り芯のヌメ革」を使用していることです。 表面のブラックと断面の生成りナチュラルのコントラストをお楽しみ頂けます。 色みとしては、元々の生成りナチュラル色を完全に覆うことは難しく、数回の染色を施しておりますが、 それでも漆黒というほどに仕上げることは難しいのが実情です。 コバ断面の色焼けと共に、ブラックのトーンも変化していくことが想定されますので、黒であってもエイジングによる変化や風情を楽しまれるといった付き合い方に適した革といえると思います。 その辺はまた別の機会に装着画像とエイジングについて掲載予定です。 一番上のカブセを開いた状態。 ボディ後面から続いている内カブセは畳まれた状態です。 画像にありますように、この表カブセの裏側には、見返しを兼ねたポケットになっています。 外周部を縫製することでエッジ部分の補強効果もあり、長期使用に耐えられるよう仕上げています。 見返し/ポケットは深めに出来ていますので、薄い物なら割と大判のものまで収納可能。 車検証や保険証書を防水のクリアファイルにいれて収納されている方もいらっしゃいます。 更に内部には、両サイド面から断ちつながるスライド式の内蓋があります。 内蓋同士が、ガタなくシッカリ重なりあうことで捻じれ剛性を高めています。 厚みのある革にあわせ立体化された幅広ベルトループは、内蓋同士がクリアランスゼロで適度な節度感をもってスライドします。この方式であれば金具接続のような煩わしさもなく、その凹凸がアタリや革の変形などの原因にもなりません。 また収容品の量が多少増えた時でも、無段階に容量の微調整が可能です。 このスライド式内蓋もストーヴルオリジナルの構造です! この四枚のフラップが重なりあうディテールは、欧州エンデューロやラリーバイク用のツールバッグとして存在する定番のカタチ。コンベンショナルなルックスでありながらスポーティーな意匠ともいえます。 建ちあがった四面すべてが厚みのあるヌメ革2~3枚の積層構造になり1センチを超える箇所もあり、手縫い工程でも難儀するところ。 耐久性は抜群です。 バッグの固定と開閉をつかさどる二本のベルトは伸びが出ないようネガを出しきり鍛えあげたうえで形に仕上げています。 バッグ本体から取り外し式にすることで、部分補修もし易いように作られています。(壊れませんが) バッグ後部。といってもバイクの進行方向でいえば前面ともいえますね。 シート後のグラブバー側になるところです。 純正バッグだとベルトはリベットで固定されていますが、ループに通して使う取り外し式に。 バッグ本体、ベルト、オートバイ其々に負担が少なく優しい構造に変更されています。 Λ.作るのは数段たいへんになります(笑)。でも良いもの作りたいので、これでいいんです! 厚みがある革を使用するため、ループ部も通す革に合わせ立体化していますので、おさまりとホールドもよく剣先側があらぬ方向に泳いでしまうこともありません。 バックルは年月と共に雰囲気の増す国産真鍮ブラス製。 アパレル用の副資材にみられるような薄い亜鉛合金やアルミ製のような脆弱さとは趣きが異なります。 結局、この革使用の記事は二回ではおさまりませんでした。 次回は搭載画像と、生成り芯の後染めヌメ革のエイジングについてお伝えします。 次の回ではカラー画像を複数枚をアップしますので、そちらも是非ご覧ください。 .
by stovlGS
| 2018-01-13 23:28
| R100GS専用リアバッグ
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