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米国より 革、来たる。

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革です。 サドルレザーです。
工房と倉庫あわせると常に30~40本以上のレザーに囲まれているstovlサトーですが、今回はいつもと違う革の仕入れ。
お世話になっている小売店さんの御好意で、米国から共同で入れてみました。

以前、その革のエイジング後の素晴らしい色と質感を見ていたので、このお話を頂いた時は即答でした。 もちろん 買い!です。

しかし、良い事ばかりではなく、慣れない海外とのやり取りと革の状態把握への危惧等々、不安もあります。(といっても手続きはお任せして、僕は心配係。)
クラフトマンとしての良い革への探求と欲は断ち難く、今回はテスト的にstovl用には半裁2本だけ発注しました。(半裁=牛さんを開きにした状態の半身の事)

そして待つ事、数日。届いたとの知らせ。 速っ! 早っ!
船便の筈じゃ。。発注から中三日くらい。船では着きません、絶対に飛行機便だ! 送料いくらup?
まぁ、そんな事はさて置き。引き取りに伺いました。



最初に結論から申し上げると。 当たり! 良いモノが作れそうです。

ここまで張りのある密な革は久しぶりかな。
好みにもよりますし作る製品への適正という事からいえば、通常の場合ここまでハードでなくて、国内なめしの物でも充分ではあります。
実際stovl製品には日本のタンナーさんの良質な革をセレクトして使っていますし。丁寧な仕上げに満足しています。

今回の革は、いってみれば玄人向けというかマニア向けというか。。革好きの人におススメですね。
とても表情が豊かなのです。 表面の加工を一切していないので少しマット感があり、皺が多かったり、擦れや小キズもあります。 しかし、生き物感というか、本革感!ごまかしのない素材の良さがあります。 そう、あたり前ですが合皮じゃないのです。
「本来、革とはこうなのだ!」 という事を再認識させられます。 
この革からは、文明批判とロックを感じ、プリミティブになれ!と聞こえてきます。←おおげさ~、言いたいだけか。。(笑)
 
それに、この革、化けます。 使用していくと、スゴイ色乗りが。ツヤが増して濃い飴色へ変化するんです!

こしらえるのが楽しみですね。いつも以上に楽しく苦悩?する事はわかっています。 革との格闘か戯れか。。

いつも僕が革に対して求めている表面的なものだけじゃなく床面・断面の状態、質量感、存在感がこの革にはあるのです。
製作者として、軽々しく「味」という言葉を使う事を敬遠してきましたが、この革では間違いなく味のあるモノに仕上がると思います。

しかし、これだけ大きい革でもstovl的裁断をすれば、数個のモノしかつくれないと思います。
いつものようにまっさらな製品を作るか、革のウネリや小キズを革の表情とした趣きを優先したモノ作りをするか。。  今回は両方試してみたい気分になっています。

これから漉きに出して厚さ調整をした後、財布、バッグ、小物諸々の製作を予定。 もしくは温存か?

Λ. 我こそは!と思われるレザーフリークの方。 
  革の本当の表情と米国のヌメ革に興味をもたれている方。
  一発目から、本物を味わっちゃおう。という革とstovlに興味のある方。

革、本来の荒々しさとエイジングを体感してみる良い機会です。

今回はテスト的な仕入れという事もあり、現時点では通常と変わらない価格帯でお出しできると思います!
御注文、お問い合わせをお待ちしております。 カテゴリのお問い合わせページから、御気軽にどうぞ。

※. 日本では、材料として革を輸入するには、高い関税率が掛かります。
 そういった事により海外からの革の輸入は少なく、とくにヌメ革は希少なのです。 

うちの場合も、それらの事情から次回があるかは未定であります。 良い革への探求はつづきます。
by stovlGS | 2010-08-09 21:26 | Comments(2)
Commented by TAM at 2010-08-17 13:48 x
ん~これはいいモノが出来そうですね、、、
やっぱり耐久性とともに経年変化も楽しめるのが一番ですよね♪
Commented by stovlGS at 2010-08-18 14:37
TAMさん

先日、小さくカットした革を天日に当て色の変化を観察しました。一日だけでも素晴らしい色とツヤの兆候。これは期待できる革です!
耐久性は間違いなく良さそうです!密度が高くて堅牢。

TAMさん。体感してみては、どうでしょう。(笑)
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