トップの画像は前回からお見せしているシースの全体像。いつものごとくシンプルを感じさせるルックスです。 しかしながら、従来からの定説通りに作った形やディティールのシースではありません。 そこはストーヴルオリジナル。ありそうでないつくり。奇をてらわず単純なコピー製品は作りません。 ナイフの世界にも定番といわれる物があります。 名品といわれる定番品ほど購入しやすい価格ですし、シースが附属もしくは純正シースとして別売りされていることが多いです。 それはメリットではあるのですが、シースという観点からみますと違った側面が見えてまいります。 ナイフのほうにコストを集中させることによりシース側へのシワ寄せがあり、革・構造・縫製・仕上げの部分で用が足りる程度に作られた物がほとんどだと感じています。 そんな状況に満足できない方達が、シースのグレードアップやオリジナルの物を御希望されるのは当然の事です。 また、古いナイフや刃物の場合、傷んだり紛失してしまったシースの代わりに新l規制作の御注文をされることもありますね。 ナイフ自体の定番/名品の多くは5000円~30000円の価格帯の物も多く、折りたたみ式のフォールディングナイフやツールナイフにおいては安いものは2000円くらいから購入できます。 ここでいつも課題となるのが、お持ちのナイフとオーダーで作るシースの価格のバランスなんです。 うちの製品はすべて最良の素材を使って、時間と工数の掛かる製法で作られています。 お財布等の定番商品の多くは、すでに開発の済んでいるもので、約3万円台~の価格になります。 これでも、素材品質や製作内容からすれば、他社様に比べて価格を抑える努力はしているつもりです。 シース製作は殆どの場合、その御依頼の個体にあわせての一品製作になりますし、刃物を収める物ですから、他の製品以上に安全性・堅牢性など気にとめなければならない箇所が複数存在し完成まで時間も掛かります。 これらの理由からシースの価格は、本来の特注の計算式に従い計算すれば最低でも一万円近い価格~となってしまいます。 ※実際には、これより安い時も高い時もあります。つづきも御一読いただきますようお願いします。 ナイフとシースを主従関係とみた場合(こういった見方は好きではありませんが)、シースのオーダー費とナイフの購入価格との対比バランスについて、お客様がどう捉えていらっしゃるかということもポイントになって参ります。 古来から鞘・シースは、中身の刃物以上に凝る「粋」と、刃物「象徴」の収めどころとしても存在していました。 現在、ナイフの世界では合理的にシースを捉えすぎる傾向が強いことも、在り方のバランスを崩す原因になっていないでしょうか。 ビルダーさんが作る刃物は長い時間と多くの手間が掛かって完成に至ります。 世間でいわれる名品/定番ナイフの多くは量産品でもあるので、短時間で生産されています。 この二つの生産方式を比べるのは違うかもしれません。 ですが、私の作るシースでさえ、丸一日~一週間以上掛かる物もあることを知ってもらえれば、作り手からみたバランス諸々もお解かりいただけるのではないかと思います。 シース製作の御相談を受けるうちに、幾つかのパターンがあると感じていました。 承り進めるに至るのは、やはりナイフや刃物に愛着や想いをお持ちの方達でした。 〇 長く愛用されていてたり、本当に気に入ったナイフをお持ちのオーナーさんが専用のシースを御相談されるケース。 〇 ナイフ自体を自作されたり、ビルダーさんにオーダーしたナイフ用にシース製作を依頼されるケース。 どちらの場合も、ナイフの御購入価格が数千円~10万円超のものまで。 使用期間も、完成したての物・念願かなって購入された新品・数十年来の御愛用品等々。 そして、皆様が良いシースが欲しいと考えていることも共通していました。 本当の意味で気に入っている物って、購入価格の高い低いで計れない事も見てきました。 その背景や想いに価値をみいだしているオーナーさん達ですから、シース価格がナイフの価格を越えてしまっったとしても御依頼される覚悟をお持ちの御方もいらっしゃいました。 私も皆さんが気に入られたナイフに、値段という価値基準をつけるのはナンセンスだと考えておりますし、ナイフは道具であり魂なのだと認識しています。 しかし、作り手としては、シースの中におさまるナイフが安価なものだった場合、やはりそれを大きく越えるような価格は申し訳ない気持ちがあるわけです。 例えばですが、仮に3000円のナイフにオーダーシースで6000円だとしたら、御客さまによっては高いと思うのは当然のバランス感覚だと思うのです。 とくに、シース・鞘に関しては、価格の面だけ見ましても、このような難しい課題があることを御理解ください。 実際は作り手側が気にしている場合が殆どではありますが・・。 一つだけ言えるのは、価格以上の物は絶対にお作りします。 御相談やお問い合わせを受けた時には、すべて正直にこれら自分の気持ちをお伝えしています。 御依頼主にとって大切な存在になっているナイフには、刃物の新旧、価格の高低を越えて、製作を承ることにしています。 安いナイフ・高いナイフだからといった部分に、シース製作においての差はございません。 良い物・安全な物を目指し完成させることに差異などないんです。 .
by stovlGS
| 2014-01-23 22:41
| ナイフシース
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