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R100GSリアバッグ 黒 後染め 生成り芯 その3 搭載画像 追記アリ

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今回のその3は【ストーヴル製R100GS専用リアバッグ】の画像と共に搭載適合等についてお知らせします。

画像の車両は「BMW R100GS」88~90年式の初期型です。このほかの適合車両は、カウルが標準装備となった後期型、[paris-dakr] [pd]モデルともに搭載可能です。

あと国内には少数しか存在しなモデルのベーシックではないパラレバータイプのR80GSにも適合します。


※モノレバーのスラッシュと、パラレバーのベーシックの両R80モデルについては、リアフレームとキャリアの形状が異なりますので、今回のリアバッグは搭載できません。

純正/リプロバッグでは、同一形状品を上記すべての車両へ取り付け可能としていますが、当工房ではストーヴルオリジナルとして、各タイプ専用設計し製作しています。

その辺の説明は長くなりますので、
【カテゴリー 】のR80G/S・basicバッグ内の記事も御覧ください。



今回は別の打ち合わせもありまして、オーナーさんが自らGSを駆りお越しくださいました。

御自身のGSに取りつけてお持ち帰りになられるとのことで、装着画像を撮影させていただきました。

幾つか画像を載せますが、撮影露出値の都合で実際の色とは少し異なる部分もあります。

どの画像にもいえるのですが、後ろ方向から撮っている都合で、バッグが車体に対して大きめに写ってることが多いので、その辺も御理解のうえ御覧くださいませ。

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以前も少し書きましたが、薄色系(白やナチュラル)の革の表面に黒の染料を染めつけることは簡単な作業ではありません。
どうしても下地の色の影響を受けて染料色よりも薄く見える傾向があります。その対策として複数回染めつけることで、ある程度まで元々の染料の色に近づけることが出来ます。
今回は染め屋さんの御尽力もあり、上手く染めつけることが出来ました。

それでも「芯通し」と呼ばれる裏や断面まで全て黒く染まった革に比べますと、今回の革は少々明るめといいますか漆黒ではありません。光のあたりかたによって少しだけブラウンがかった色みにも見えます。
その時々の革の染め付け性や染色工程の状況などでかわってくるところです。

元々黒いヌメ革は紫外線や温度の影響でグレーがかったりブラウン寄りになることがあります。
今回のような表面を染めつけた革においては想定以上に色と風合いの変化を伴うことも。

このリアバッグのオーナーさんは革の造詣が深い方で、これらの特徴も理解いただいたうえで御依頼くださいました。またその変化も楽しまれています。


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横から見た様子です。
ビッグオフロードによく見られる樹脂やアルミのトップケースのような大きなものではありません。
バランスが悪くならないように、使いやすさとカッコ良さも鑑みたサイズ設定にしています。

大きめサイズへの仕様変更やワンオフ製作もできないことはありませんが、良い物が出来るかどうかは御希望の仕様やサイズを検証してみないとわかりません。
逆に小さめの物やライトウエイトな物など、ラリーやレース用途のカスタムや特注品も製作可能です。
御興味あればお問い合わせください。


この後、同じオーナーさんから別の御注文を頂きました。
その辺については、また次回以降お伝えする予定です。


Λ.贔屓目もありますが、この時代のGSはとくにカッコいいですよ。
クラシックでもなく、コンサバなテイスト重視のバイクでもありません。
見ようによってはスポーツ用品的カラーリングで、多くの樹脂素材も使われています。
それなのにレザーが似合うんです。
そんな単車そうそうあるもんじゃございません。

パリダカールラリーでの活躍が有名なボクサーバイクですが、
モデル末期はツーリング向きと捉えられていたバイク/エンジンでもありました。
これと同系列の900ccエンジンの頃にはスーパーバイクレースにおいて、当時最新のマルチエンジンのZ1等と戦いチャンピオンになった事実もあります。

実際、GSに乗った直後に同じカテゴリー?のアフリカツインを運転してみると「剛と柔」ってくらいの違いを感じたものです。昔のカワサキやスズキの空冷マルチに近い硬質感とでもいいますか。
ツーリングなどではスズキの油冷マシンとのランデブー走行の相性が良かったり、そんなことも思い出しました。



数ヶ月使用後の追記です!

納めてから数ヶ月後に再度お越しくださいました。
下の画像はその時のもの。既にエイジングが進み、色の変化が見てとれます。

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リアバッグを搭載した状態で、ほとんど毎日使っておられるそうです。
出先で急な雨に遭遇し、そのまま夏の強い日差しによる急速な乾燥にさらされた事もあり、カブセ部分が少々変形している感じでしたが、全体的に良い感じにエイジングが進んでいます。逆に落ち着いたようにも見えます。

色の変化では、とくにコバの色が素晴らしい。
元々のコバ部分のナチュラルな生成りの薄いベージュ色が、赤みがかったボルドーのようなブラウンカラーに色づいています。

今回使っているヌメ革は見た目の良さ以上に、硬さのなかに粘りもあり耐久性に定評のある上質材です。
工業用や靴底材にも使われる革も作っている深い鞣しが特徴のタンナー製なんです。
以前長いこと使用していましたのでエイジングが素晴らしいことはわかっていましたが、ここまで早く育ったものはそうそう観る機会はありませんでした。
夏の強い日差しと高温状態によっておこる変化だと思います。バイクで使われる環境の厳しさを物語ると同時に、夏と日光の恩恵ということですね。お財布やショルダーバッグではここまで早い色の変化はおこりません。

また、想定した通り表面の黒色も深い焦げ茶がかったブラックに。
これは油分補充などすれば、ある程度は黒革の状態に留めてはおけますが、今回の個体はその変化も楽しんでしまおうというのが、依頼主であるオーナーさんと私の思いでもありました。

今後のエイジングも楽しみなところです。

ちなみにこの個体は二年前に納めた注文製作品です。











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by stovlGS | 2018-01-18 19:38 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

R100GSリアバッグ 黒 後染め 生成り芯 その2


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前回の「その1」から引き続きまして、完成したものを御紹介致します。

「その1」では大きく脱線して少々書き過ぎたきらいもあり失礼しました。
このリアバッグ類の製作にはいりますと長い期間向きあうことになり、
GSオーナーさんの熱さとその御期待を裏切らないように、自分としても思いが強くなってしまう傾向にあるようです。

作り手のエゴとして、わかってほしいというのは正直あります。
でもそれは「手間が掛かっていますから、高いですよ。」といっているのではなく、その逆です。
その辺の誤解がないようにお願い致します。
革とGSが好き。そういうことで。

今回は反省もふまえ完成した製品の画像を中心に、写真ではわかりにくい部分を文章で補う程度でお送りします。

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リアバッグ自体のディテールは以前記した詳細記事をご覧ください。

今回の一番の特徴は、「後染めの生成り芯のヌメ革」を使用していることです。
表面のブラックと断面の生成りナチュラルのコントラストをお楽しみ頂けます。

色みとしては、元々の生成りナチュラル色を完全に覆うことは難しく、数回の染色を施しておりますが、
それでも漆黒というほどに仕上げることは難しいのが実情です。

コバ断面の色焼けと共に、ブラックのトーンも変化していくことが想定されますので、黒であってもエイジングによる変化や風情を楽しまれるといった付き合い方に適した革といえると思います。

その辺はまた別の機会に装着画像とエイジングについて掲載予定です。

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一番上のカブセを開いた状態。
ボディ後面から続いている内カブセは畳まれた状態です。
画像にありますように、この表カブセの裏側には、見返しを兼ねたポケットになっています。
外周部を縫製することでエッジ部分の補強効果もあり、長期使用に耐えられるよう仕上げています。

見返し/ポケットは深めに出来ていますので、薄い物なら割と大判のものまで収納可能。
車検証や保険証書を防水のクリアファイルにいれて収納されている方もいらっしゃいます。

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こちらは、内カブセを解放した状態。
更に内部には、両サイド面から断ちつながるスライド式の内蓋があります。
内蓋同士が、ガタなくシッカリ重なりあうことで捻じれ剛性を高めています。

厚みのある革にあわせ立体化された幅広ベルトループは、内蓋同士がクリアランスゼロで適度な節度感をもってスライドします。この方式であれば金具接続のような煩わしさもなく、その凹凸がアタリや革の変形などの原因にもなりません。
また収容品の量が多少増えた時でも、無段階に容量の微調整が可能です。

このスライド式内蓋もストーヴルオリジナルの構造です!
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内蓋のスライド部を外すと大きく開口します。この構造/ディテールは純正バッグ/リプロ品と異なるところ。
この四枚のフラップが重なりあうディテールは、欧州エンデューロやラリーバイク用のツールバッグとして存在する定番のカタチ。コンベンショナルなルックスでありながらスポーティーな意匠ともいえます。

建ちあがった四面すべてが厚みのあるヌメ革2~3枚の積層構造になり1センチを超える箇所もあり、手縫い工程でも難儀するところ。
耐久性は抜群です。

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バッグの固定と開閉をつかさどる二本のベルトは伸びが出ないようネガを出しきり鍛えあげたうえで形に仕上げています。
バッグ本体から取り外し式にすることで、部分補修もし易いように作られています。(壊れませんが)

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バッグ後部。といってもバイクの進行方向でいえば前面ともいえますね。
シート後のグラブバー側になるところです。
純正バッグだとベルトはリベットで固定されていますが、ループに通して使う取り外し式に。
バッグ本体、ベルト、オートバイ其々に負担が少なく優しい構造に変更されています。

Λ.作るのは数段たいへんになります(笑)。でも良いもの作りたいので、これでいいんです!

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ベルトについても、当方で製作しているウエスト用のベルトと同じように堅牢度重視で仕上げています。
厚みがある革を使用するため、ループ部も通す革に合わせ立体化していますので、おさまりとホールドもよく剣先側があらぬ方向に泳いでしまうこともありません。

バックルは年月と共に雰囲気の増す国産真鍮ブラス製。
アパレル用の副資材にみられるような薄い亜鉛合金やアルミ製のような脆弱さとは趣きが異なります。
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このベルトの剣先の方向性。
これを実現するために、試行錯誤を繰り返しました。

純正バッグでは車体との取り付けにおいて、ベルトの取り回し方が逆で、剣先が前を向いています。
美観的な部分は置いておいたとしても、構造と造作のアバウトさが起因となって、車体とバッグ双方に負担を掛け合う作用が発生している個体もあり、トラブルの御相談も受けることもありました。
コストと生産性を考えれば仕方のないことかもしれません。でも、ユーザーさん方は思いを込めて使い乗ってらっしゃる。
そうなるとその思いに応えらえるだけの耐久性と作りが必要になると思うのです。

stovlが作る物が完璧ということはありませんが、出来る限り深く細かく取り組む事ということをお約束します。
懸案事項を解消するのは前提として、ルックスバランスと風の向きに逆らわないように、後ろ方向(バイクの進行方向の後ろ側)に剣先が向くことも諦めません。

完成してみればシンプルなものですが、形になるまでの脳内妄想や机上空論は苦しくも楽しく、やっぱり苦しいものです。
結局、バランスを崩さずにすべてを解決するには手間と工夫と好きが必要なんですよね。


※どの画像もそうなのですが、
 車体に装着していない状態で撮影していますので、ベルトを締めこんだ形が本来とは異なります。
 個体ごとに装着した状態で採寸してベルトの長さ調整用ピンホールは開けられています。


◎ 2018/1月現在、GSリアバッグシリーズについて、製作を再開しています。 
 御興味あれば詳細にお答えしますので、お問い合わせください。


結局、この革使用の記事は二回ではおさまりませんでした。
次回は搭載画像と、生成り芯の後染めヌメ革のエイジングについてお伝えします。

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Λ.このページに搭載画像が全くないのも説明不足とおもいましたので、モノクロではございますが一枚だけ載せておきます。
次の回ではカラー画像を複数枚をアップしますので、そちらも是非ご覧ください。






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by stovlGS | 2018-01-13 23:28 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

R100GSリアバッグ 黒 後染め 生成り芯 その1

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後染めのブラックのヌメ革使用の製品の掲載は初めてになります。
ストーヴルオリジナルのR100GS専用リアバッグについては、数年前に載せた詳細記事がありますので、そちらと併せて御覧頂けますとありがたいです。
バイクに御興味ない方には退屈なものかもしれませんが、この製作の流れから先日チラッと載せましたウォレットについても表していきますので、よろしくお願いします。


先ずリアバッグ記事が今まで少なかったことの経緯について少し補足。
ここ十年のあいだ、円安・口蹄疫・狂牛病等、その時々の不安定要素の影響で革の原皮価格は高騰をつづけ、その度ごとに革素材の価格も大きく改定されてきました。コスト問題だけでも危機的な状況が続きましたが、それ以上に作るうえで最も大切な「厚みのある良質材の安定的な確保」が厳しくなったことも重なり、リアバッグについては作っていても告知や製作レポートの掲載を殆どしてきませんでした。

ですが、その間にも有難いことに熱心なGSフリークの方々からお問い合わせ/御注文を頂き、今までそれなりの数を作ってきた経験があります。
毎回、少しづつ改良を施し個体ごとに細かな仕様も異なります。ベースとなるカタチは同一とはいえ、それらすべてのディテールを上げていきますと、あまりに多岐にわたってしまうため表しかたも複雑になり、作り手のひとりよがりとなる危惧もあり程々に致しますが、画像だけでも複数枚の掲載になってしまいます。
そんなこともあり、おおきくザックリと二回ほどにまとめたかたちでお伝えしていく予定です。

上の画像は、既に完成したバッグを側面から撮ったもの。
リスペクトもこめて、バイエルンのプロペラマークとストーヴル製オリジナルバッグ。
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依頼主様への製作レポート用と、確認/検証用としての画像ストックはありますが、あまりブログ映えするものではありません。

本製作の集中作業の画というのは作り手からしますと、革の破片と削りくずにまみれながら革への負担軽減を最優先に進めている景色でもあり、人様にお見せしづらいのが我が机上の普段の姿でもあります。

このリアバッグに関しては、スクっと普通に出来ているよう感じてもらうには、結構な下準備と取り組みが必要でして、その部分がマル秘的(そこまで大げさではないけど)というか表しかたが難しいところもあります。
そんな言い訳をあり、今回は組み上げ前の大きなパートが形になったところの画で失礼いたします。

ということで上の画像は、「ベルトパーツ」「両サイドとそれに繋がるスライド可動式内カブセ」パートの半完成状態。

実はここまでくるには、そうですね。3~4日間は掛かっています。
素材調達の選定作業ごとに革屋さんに伺い漉き加工に出すのに丸一日掛かりますし、革が届いてから裁断工程の見究めと実裁断には2日間は掛けますから、それも入れれば実質ここまで一週間近い作業時間が掛かっていることになります。

私が言うのもなんですが、そこまで掛かっているなんて思えないですよね。皆様からしてみれば何で?って感じるのは当然のことだと思います。でも、本当に良いものを作ろうと思うとそうなっちゃうんです。自分の場合。

フルハンドメイドのお財布の量産OEM品であれば、一日で数個の作ることが出来ます。だからといってまったく完成度が低いことはありません。先方様からの納期の都合もあり、良い意味でのディテールの簡素化・コストの制限がある為です。でも、コストを超えた完成度は必ず満たす以上の仕上がりにはしているつもりです。しかしながら、それでもどこかやりきっていないモヤモヤが残るんです。
そんなこともあって、個人のお客様のstovl印の御注文品が完成するまでには最低でも三日以上掛けています。かけた時間と技術量に比例して完成度の向上はありません。ですが、掛ければ掛けただけ、その比率よりも少しづつになりますが、より良いものに仕上がっていきます。牛歩的な完成度向上といいましょうか。

僕が依頼する立場だったら、ただ只急いで作った物では嬉しくないですから。
向きあう時間も大事にしたいと考えています。

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革という素材は、一般的にはファジーといいますか、そのテイストや柔軟性に振った作りをすることが出来るのも事実です。
ですが、硬度があり厚みのある革を用いた造作においては、良いものを作りあげるには正確な数値管理が前程にあって、そこから革の特性を見こした取り組み方が必要になります。
今回の革素材は、それに加えて表面層にのみ色の入った状態ですので、革の伸びや色の染めつけ具合も勘案しながら進めます。

とくに断面から見たときに、染料の浸潤した深さが革の部位や状態ごとに若干のムラとして存在しますので、それを全てはじくのではなくテイストの一つとして取り込むバランスのさじ加減も必要になります。表面染めは断面の見え方が魅力の一つでもあるので、コバを仕上げるときには面取りの角度とコントラストのバランスも鑑みた作業が大切。
ベージュに見えている生成り芯のエイジングも今後の楽しみの一つです。

ストーヴルにとって最も大切なのは、革の傷やシワ・擦れや斑を避けることではなく(もちろん避けていますよ)、その部位の内部や断面の繊維素性がしっかりしているか、長年の使用の後にも使い易さと堅牢性を保っているかが見究めの絶対要件になります。

勿論、自然の革であれば何もネガ要素のない物など存在しません。
そんな天然素材のイレギュラーな条件のなかで、一般的にはネガ要素とされる部位も堅牢性を担保したうえで、テイストとして入れ込むことが、本当の意味で革製品のあるべき姿たなり仕上がると考えています、

シワや擦れごとにその表情や堅牢度は異なりますので、その一つ一つを除くのか採り入れるのかの判断。これが本当にむずかしく、時間を要することも多いです。でも検討するのは数時間~一日くらいまでですから、ユーザーさんが使われるであろう年月の長さに比べれば微々たるものです。

それに良い物に仕上げれば、それだけ御愛用品にして頂ける可能性が高くなると思うんです。
そうなれば、牛さんが動物として生きてきた年数よりも長い期間を製品になってからも存在できると考えれば嬉しいじゃないですか。


おっと、また話が大幅にそれた感じですので戻しましょう。
上の画像は、前述した両サイドパーツと、本体のボディと背面側の内カブセを組み上げベルトが通るループを縫い付けた状態、それぞれ工程ごとにエッジは仕上げ済みです。勿論、最終工程で全体の調整と磨き工程はありますけど、その時ごとに一つ一つ完結して組み上げていくことは精度確保のためにも必要だと考えます。

これで、立体的に組み上げる前段階までの各パートが完了したことになります。
ここから更に難度の高い工程が続いていきます。

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随分とといいますか殆どの工程をはしょっています。
外カブセの外周部を縫製している画なので、手縫い自体は最終段階の様子です。
この後、仕上げとして各部の調整しコバ磨きを施し、車体との取り付けフィッティングと取り付け金具類の作成を、オイル補充と清掃をして完成に至ります。

*カッコつけて一週間位の製作期間とお伝えすることが多いですが、実質10日間以上掛かっていることが殆どです。
 到底一週間では良いものは完成しません。ここが最大の課題です。


縫製工程は、二本の針を用い一目づつ縫い引き締める手縫いクチュールセリエ製法。
糸の太さや針目のピッチ、糸の引きこみ具合による革への負担軽減、堅さや柔軟性の調整、数値化出来ない多くのことに合わせられる製法です。

だからと言って単純に「手縫い」自体を売りにしたものではありません。
手縫い作業よりも、其処に至るまでの下準備のほうがはるかに時間も手間もかかります。
その工程で、殆どの仕上がりまで決まってしまいます。

世間で云われる「手縫い」という謳い文句についても御理解いただきたいです。
【手縫い=良品】これは正しくありません。
技術の満たない手縫いであればミシン縫製のほうが断然素晴らしいものです。
ミシンで仕上げられた物にも良いものはたくさんあります。

自分の場合は、服飾洋裁の世界とは立ち位置の異なるハンドメイドの手縫い製品に触れたことから、今に至っていますので、未だに手縫いへのコンプレックスがあるのだと思います。

革表面にピシッとおさまった美しい縫製ラインを見るにつけ、手縫いに魅せられている自分がいます。
革工芸と捉えた場合では、手縫い製法のほうがより堅牢でメンテナンスや補修性に優れたものが作れることは間違いないと思います。


本日も脱線しまくりました。

画像で雰囲気をお感じください。
続きまして、「その2」になります。
次回はもう完成です。
楽しみに。
ってそんな人いるのかなぁ。










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by stovlGS | 2018-01-12 18:09 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

The wind has begun to blow.

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もうこの日がきてしまいました。
本当に早かった。

今年は良い年だったとはいえないかな。とくに前半。
仕事の他にも、ライフワークというと大袈裟ですが嗜好していることが幾つかありまして、その一つで自己内省的な大ミスをしてしまいました。
年初から春にかけて気持ち的に高めつつ進めておったところ、四月にやらかしてしまいまして、自分的には結構痛いショックで。
長く熟考したつもりであったにもかかわらず、結局やらかした自分の考えの至らなさに嫌になりながら、世間で良しとされている其れを通す気持ちにはなれず、悶々とした時間を過ごしました。
今思えばリセットしたという感じもあり、すっきりとした気持ちもあります。
ここに内容を記したい気持ちもあるのですが、むずかしいかな。機会があれば直接聞いてください。
自分では正しいと思っていることや、それはおかしいといったモラル的なことでも、法やきまりごとの前では理不尽さを感じる事が沢山あると思います。
悔しいですけど、体制や権力が間違ったときには声を上げられる立場でいれるように一歩引いたということです。誰や何処に対してというより、立ち位置の確認。

お仕事のほうは其れなりに恵まれ良い物作りは出来たと思います。
これは毎年そう思ってます。数や売り上げの部分を言っているのではなく、お客様とやりとりしながらお互いに納得して進め納めることが出来たのではないかとおもうんです。
そう思われていない方もいるかもしれないですけど、精一杯とりくみました。それはいえます。キッパリ。

昨日最終の発送を終えて、深夜からバイク沼にはまっています。
ボクサーエンジンの肝であるbing製キャブレター、オーバーホールしながらこの一年を思い出したリ。
やっぱ幸せだは。今年も最高の年であったようです。前述撤回!
しっかり生きてますもんね。

皆様今年もありがとうございました。
2017年も良い物作ります。

良い御年を。


Λ.Bing沼です。それも32Φの。新しいパーツも投入しながら、各車仕様の内部解析をしつつ進めてます。
 このへんのお話は今までしてこなかったですが、深~くオソロシ~い世界なんですよ。
 落ち着いたら書きます。たぶん宿題がいっぱいあるんでいつかわからないですけど。

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画像の赤矢印。ここの部品です。




















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by stovlGS | 2016-12-31 15:41 | モーターサイクル | Comments(0)

Λ

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こちらの事も書きたいですねぇ。 もうちょっと時間がほしいです。

2vボクサー用リアバッグのお話しも諸々溜まってるので、またあらためて編集・追記致します。
本日はユーザー様から送って頂いてた画像を仮アップです。

新品なので、まだ革が馴染んでない頃の画像です。色もまだ更の状態。
GSカッコイイです。 PDのパニア付にも合うと思いまっす。






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by stovlGS | 2014-01-27 18:01 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

σ

a0155648_3394713.jpgまた、随分と更新が滞ってしまいました。 まあ、いつもの事ですが・・。

おかげさまで、更新していない間も依頼品の製作で作業場に篭っております。
お問い合わせ頂く時に、「現在も注文受け付けてますか?」なんてたまに質問されます。(笑)
自分としては、毎日いろいろな物を作り続けているので、当然に製作営業中なんですが。
やはり常に発信していないと、依頼される方にとっては分かりませんものね。反省です。

さて、製品・特注品の製作記録とか、他にレザーとは関係ない諸々の書きたい事なんかも溜まっています。

いつも製作にばかり集中してしまい、HPやlogへ向かう時間が少なくなってしまいます。性分ではありますが、要領悪いんですよねぇ。 宣伝とか表明する事も苦手なんです。

logを見て頂いている方はお解かりだと思いますが、私の文章や説明って長くなる傾向があるので、書くことが苦手な自分としては、少し気持ちを高めていかないと向かえないんです。短く簡潔な美しい文に憧れたりもしますが、出来そうもないなぁ。
やはり自分の場合は、なるべく製品が長く機能し気分よく使い続けられるように、弱点も含めた素材の特性やディテール・製作上のテクニック的な事やメンテナンス・対処法が伝わるよう書いていくしかないかと。

プロダクトとしては、カタチやラインが悪くないのは当たり前と考えますし、よくある事ですけど、「カッコいいけど使いづらい」っていうのが嫌なんです。
なので、ビジュアルイメージが大切!なんていうことより、革やプロダクトの本質的な部分や作り手の想いに近いところが理解いただけるように、無理なデザインや構造で革素材に対しても愚弄しないように、見えない部分の完成度を高める為の自己確認の意味でも記していきたいと思います。
これからも相変わらすクドイ文章や更新滞ったりあると思いますけど、是非お付き合い下さい。 たまにはサラッと書きますから。

私の化身のlog店長。
通常のブラックレザー版ではなく、今までも幾つか承ったナチュラルカラーのGSリアバッグ。
晩夏のロールアウトの図であります。
この辺の事も近々書きますね。


Λ.本日は、いつかとまた同じ様なことを書いてしまいました。
 
 更新が滞っていたとしてもstovlは、ほぼ毎日営業製作中です。
 どうぞ御気軽にお問い合わせ下さい。 と書いても気軽には無理かもしれませんが、
 ホントにお気軽に御遠慮なく。
 



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by stovlGS | 2013-10-13 03:45 | Comments(0)

BMW BIKES vol.60 掲載

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現在発売中のBMW BIKES 60号におきまして 「stovl とGSリアバッグ」 について、
取り上げて頂きました。

創刊当時から愛読しているBMW BIKES誌に載れるなんて本当にありがたいことです。
ご興味のある方は是非御覧ください。

今回の掲載をきっかけにstovlのことをお知りになった方もいると思います。
レザーメーカーとして、
単なる製品であること以上の品質追求と、嘘のない製作・取り組みをして参ります。
どうぞ、よろしく。

財布・バッグを中心に、革小物全般の製作をしています。
特注品はもちろん、OEM製作も承ります。
一部の製品しか掲載していませんが、他のlogページも御覧ください。

お問合せは、どうぞ御気軽に。










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by stovlgs | 2012-10-10 16:59 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

stovl製GSリアバッグ 雨対策とレインカバーについて

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雨対策について。
このリアバッグの素材には、革本来の表情と耐久性をもつヌメ革(サドルレザー)のAランク以上の物を使用しています。
馬具・銃器ホルスター・ナイフシース等々、屋外の活動環境でも使用されている革です。
登山や狩猟・軍用に使用されていることからも、その強さは証明されています。

多くのハーレーライダーがそうであるように、
「雨もいとわず」という使い方もひとつの考え方だと思います。(このへんについては最下段のΛ.で)
しかし、stovlではリアバッグをより良い状態で長く使って頂けるように、レインカバーの使用をオススメしています。

当方で専用のレインカバーを製作することも可能ですが、資材調達や製作コストを考えますと、それなりの価格になってしまいます。
そこで、内外のザック・バッグメーカー製のレインカバー・ザックカバーを実際に幾つも装着し、対候性・操作性・大きさ・価格などの面から、対応推奨品を検討してきました。

検討の結果、GSと同じドイツのTATONKA製10~20ℓ用のカバーが、機能・相性とも良好のようです。
トップの画像は、机上のGSリアフレームに固定したリアバッグにTATONKA製レインカバーを被せた状態です。

つづきます!
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by stovlgs | 2012-10-01 15:06 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)

R100GS リアバッグ 詳細

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革素材の探求とサンプル製作による試行錯誤を経て、「R100GS用リアバッグ」のオーダー生産が出来る事になりました。
今回の写真の個体は、先行生産プロトとなったオーダー仕様の説明です。
通常生産版とはステッチ色等違う箇所もあります。基本となる部分の多くは、通常生産版と変わりませんので、参考にご覧ください。

stovl版と純正タイプの違いは多岐にわたりますが、特徴的なところは3つあります。

1. サイドに雨よけが付いたボックス型カブセ蓋の純正タイプに対して、
  stovl製では、外カブセフラップ2枚・内フラップ2枚からなるデザインに変更。
  ラリーや70年代以前のエンデューロマシンでみられたカタチをベースイメージにしながら、
  革の配置・構成・製法を変え、より堅牢な構造に変更。

2. 車体との装着と、カブセ蓋の開き留めの両方を兼ねている2本のベルトをリベット固定から、
  取り外し式に変更。
  より細かな採寸と調整によって、車体側にもバッグ側にも優しいフィッティングを実現。

3. 時間やコスト的な要因で、かつての作り手がやりきれなかったであろう部分を、
  耐久性と補修性を考え、stovlの得意とする hand sewn 手縫い製法で製作。

この3点に沿って、ディテールの解説を致します。 
長くなりすが、御興味のある方は御一読ください。
 
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まず、純正と大きさ・ディテールがほぼ同じリプロ新品(左)とstovl製(右)の比較画像です。
カブセのデザインと大きさの違いがお解かりいただけると思います。
両バッグともにGSに装着した場合、写真左方面がバイクの進行方向になります。そして、お気づきでしょうか?ベルトの取り回しの違いを。
これら仕様の違いもふまえまして、説明を進めてまいります。
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こちらの画像は、ベルトをほどき外カブセフラップ2枚を開けたところです。
内フラップが2枚蓋となり雨やホコリの進入を防いでいます。通常、市場にあるサドルバッグも含めた製品群のほとんどは内フラップが付いていても固定がされていません。そうなるとバッグ内に荷物が入っていない場合、カブセの自重により内側に下がりきって内蓋の機能を果たさなくなり、型崩れの原因になります。
そこでバックルとベルトを付けて固定する方法もあるのですが、バックルの重さと大きさによって、これも逆効果になってしまう事例も見ています。

そこで考えた構造はとてもシンプルなものでした。
フラップ同士を重ね合わせる従来の方法にプラスして、各パーツと配置から導き出した幅広のベルトループをフラップ中央に設置する方法です。
この方法ですと、倒れ込もうとするお互いが支えあい、点ではなく面と線で接触していますから、空荷状態でもネジレ剛性が確保でき、型崩れのリスクも減らす事が出来ました。
現状では、ベストの方策ではないかと考えます。
ここだけの話し、バックルやベルトなどで作りこみますと、みため豪華になり説得力のあるディテールになるのですが、ここは地味でも機能を選択しました。
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そして、もう一つの大きな特徴。
ループをスライドさせる事で、容量の可変が可能になります。
この状態で、外カブセとベルトを閉めますと、それなりのプラス容量が確保で出来、ルックス的にもバランスが取れるよう設計しています。
出先でチョッとだけ荷物が増えた時に、この少しの余裕が助かる時ってありますよね。
と説明しながらですが、あくまでもエマージェンシー機能としてお考えください。

このリアバッグの用途としては、工具やプラグ・スペアパーツ・書類・補充用オイル等、いろいろあると思います。
とくにオススメの使い方のひとつは、レインウエアの収納スペースではないでしょうか。
カバンを持たずに、手ぶらでバイクに乗りたい時ってありますよね。
そんな時いつでもレインウエアが装備されているのは、とても心強いものですよ。
小型のシュラフも収納可能です。
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比較写真のところで言いましたとおり、純正タイプですとデフォルト状態でベルトの先端がライダーの背中に刺さる向きになっています。
この部分は美しさという点からみても、風を切り裂く方向性とみても、個人的にどうしても慣れることが出来ないポイントでした。
これには生産上の都合と若干の装着のしやすさが、その仕様にさせたと推測します。
修理や研究をしていくうちに、その為に犠牲となったのは美しさだけに留まらず、グラブレールとバッグ自身がお互いを傷付けあう要因になっていると解り、ベルトは取り外し式での製作がベストであると確信を持ちました。

グラブレールのフレームに、ベルトの固定リベットが当たっているというだけではなく、リベット下で重なり合うボディとカブセの付け根部分の革にグラブレールとの押されるチカラが掛かり続け、バッグの変形と破損・グラブレールにキズがつく原因になっていました。
stovl製では各部寸法の見直しと同時に、フラップ取り付け部がグラブレールに接しないよう取り付け位置を上げています。
純正とリプロはつぶされて、内容積が減っている事から、
stovl製では、つぶされるチカラがかからないよう正確な採寸をした上で、容量確保をする為には必然ともいえるサイズ変更として高さを少し上げています。

修理記参照頂ますと、この課題も御理解頂けると思います。

そして、ベルトですが、長さで約一メートル以上の良質な革を2本必要とします。
stovlの場合、背中心付近の最良質な部位から切り出し、それを大人二人で、水に濡らした状態で強く引き合い伸ばしきります。只でさえ狂いの少ない背中心の革ですが、雨に濡れて伸びたり型崩れをする可能性も想定しネガを出しきります。
ゆっくりと時間を掛けた乾燥と油分の補充によって、しなやかで強い素材が完成し、はじめてベルト作りに入ることが可能となります。
効率を優先した量産品では、あまりみられない工程と革の部位選択だと思います。
絶対に伸びや破損が許されない馬具のアブミ等で使われる製法です。

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そして、2本のベルトを仕上げてゆきますが、これらは通常stovlで製作する際のオーダーウエストベルトと同様の工程です。
穴あけが想定される箇所には、特に最良な部分が来るように裁断し、重なる部分には漉きを入れ、
断面は全て面取りをし磨き上げます。
ベルトの材を作るところからすれば、これだけで数日を要しますが、製品となった後の長期使用を想定し製作しています。

シッカリとした作りをすれば答えてくれる素材です。エイジング後の風情というか姿が違ってくると信じます。
古いだけの物や表情の荒れているだけの物を味とはいいません。
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バッグのベルト固定をリベットからループ仕様に変更しています。
これでベルトの交換・取り外しも容易なりました。バッグの破損・変形に対する縫製修理やオイルメンテナンスも数段やり易くなり、車体への負担もなくなります。
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ベルトの取り回しも、先端の後ろ向き装着が可能になり、自然なバランスになったと感じます。

そして、進行方向後ろ面の斜めにオーバーハングした部分は、100GSの特徴であるキャリアフレームの斜めの跳ね上がりにフィットします。ここは革の硬さや厚み毎の調整に加え、フレームの個体差でフィッティングが変わってくる所ですが、幾つものサンプル製作とパターンメーキングによりベストな角度を算出し製作しています。

その上方部分は、ボディとフラップ取り付け面を大きく重ね合わせ剛性を確保。
黒色と磨きの為、革が同化しているので解りづらいと思います。ちなみにその合わせた革とサイド縫いしろとの縫製箇所やブルーステッチの入るところでは、積層でレザーが1センチ厚を超えます。

両サイド面内側には見返し革を貼り込み縫製、前後のフラップとボディは取り付け位置を深く重ね合わせ見返しも追加して縫製、ボディ全体がモノコック的であり2重~3重の補強構造になっています。


下の写真は、stovl製の個体ではありません。
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ボックス構造の革小物等に用いられる縫い方です。通常よくあるバッグの縫い方とは縫いシロのあり方が異なります。
外殻の構造面が直角に交わることでスタイリッシュな印象に作れる代わりに、縫製強度の弱いものが多いと感じています。
この写真のように、直角に革の断面同士が突き合わされ、革の面に対して斜めに貫くように縫われています。この画像の個体はミシン縫製の物ですが、手縫いでもよく使われる縫製法です。

私個人の考えですが、この縫製法では革の断面に対して斜めに穴をあけますから、糸を強く引きしめ縫製することじたいに無理がありますし、針目まわりの革も強度的にも厳しい状況に置かれつづけると思うのです。
この縫製法で作られた物の修理相談を受けた経験もありますが、どれも糸は緩み全体の型崩れや針穴の崩壊が出はじめている物が散見されました。
この方法のメリットとしては、縫う箇所に外側から容易にアプローチできるという作り手側の利点もあるのですが。肝心の製品寿命が短くなっては意味がありません。

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こちらstovl製バッグ内側、耐久性と外側にあらわれる優しいラインを求め、縫いしろの革と革が面合わせになるように、縫いしろをシッカリ多めにとって縫っていきます。
問題は、穴あけ時の難しさと、手縫いする為には狭いバッグ内側からもアプローチしなければならず、厚手の革とあいまって困難を極めますが、縫いあがりの強度と質感を考えますとstovlのバッグでは欠かす事のできない製法になっています。

通常、このような構造の場合ですと、ブラインドリベット等を使えばカタチを作りやすいですし、外側からアプローチできます。
しかし、リベットだけで形作られた物は、補修に適した製法ではないと考えます。革を傷めずにカシメを外す事はとても難しい作業です。
個人的にはディテールとしてのリベットは好きなのですが、それらの課題を考えますとstovl製品として使用することはとても少ないのが現状です。

私の製作の傾向と好みもありますが、縫い辛くても修理が可能な手縫い製法は、ボクサーツインなどの長期運用の多いモーターサイクルに適した製法ではないでしょうか。
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机上の写真ですが、完成したてのバッグの革は、とても硬く各部の馴染みが済んでいない状態です。まだベルトも強く締めこんでいません。
内側の曲がる箇所に漉き掘りをいれてませんから、革全体が馴染むには更に時間は掛かります。

GS用リアバッグの製作に於いて、最適と思われる革の硬さと厚みのバランスは解りました。
しかし、現在でも生産個体ごとに、コンマ1ミリ単位で厚みを変えながらの探究は続いてゆきます。
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取り付け方は純正を踏襲しています。
キャリアフレームに溶接されたガイドループに2本のベルトを通し締め込みます。
確実にバックルで固定していればバッグが落ちる事はありませんが、更なる安定感の為もう一箇所を固定します。
こちらも純正と同じくキャリア下面よりフレームにU字金具を差込み、バッグ内側のアルミ板と挟み込むカタチで固定します。
一工夫してビニールチューブをフレームに被せますと、滑り止め効果とフレームの傷防止にもなります。
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内側にはウイングナットを使い取り外し易くしています。
取り外す頻度の少ない場合は、ねじ山の低い物に変えて小さめのナットに変更したり、タイラップで固定すれば内側に出っ張る部分も少なくする事が可能です。
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キレイなブルーにペイントされたR100GS。シングルシートになっていますね。
カブセフラップとベルトループに青糸を使ってみました。気に入って頂けたようです。
広角で撮っていますから、バッグが実際よりも大きめに見えてます。

stovl標準仕様はオール黒ステッチになります。
更なるフィッティングを追求して寸法を見直し、内側の見返し構造なども改良・追加したたモデルとなります。
生産版はそちらになりますが、今回のモデルと同等のデザインと思って頂いてOKです。

雨対策ですが、レインカバーで対応します。
ユーザー様御自身でも御用意できるよう、対応する製品を選定をしているところです。
現在、使いやすく信頼できお求め安いモデルを幾つかテスト中です。
バッグと一緒に納品することも可能です。

御興味のある方に、直接見て感じて頂けるように、試作品と完成版のサンプルリアバッグの用意がございます。
御予約の上お越し頂ければ、御自分のGSに装着して感じを見る事も可能です。
現物確認・ご相談等の要望があれば出張いたします。

GSリアバッグのお問い合わせ・ご予約、お待ちしております。

◎ R100GS リアバッグ 
 
 価格. JPY¥・・・・・+tax (標準生産版ベース)

  仕様・革により変動いたします。
  デザイン違いや、他車種用等、スペシャルオーダー品の製作も致します。
  
 価格・仕様等に関してはお問合せください。

 材料コストと手配状況の厳しさもあり、製作休止しています。再開しました。
    
 (2013年2月・2014年5月・2017年11月追記)
                
Λ. ファラオラリーでのテスト、純正バッグ・リプロ品の修理、フィールドテスト等をしながら、GS用のバッグ作りと研究をしてきました。それらの経験をもとに、R100GS用が完成しました。

最高品質のレザーから、最良の部分だけを厳選し製作しています。
 (広告・宣伝で、よく使われる言葉ですが、stovlでは文字通り厳選しています。)
それらの事から、牛革の半裁(牛一頭の半身)一枚から一つのバッグしか作る事が出来ません。

元々、無理な原価率のもと時間を費やし製作している製品です。
材料コストだけで、バッグ価格のかなりの割合を占めてしまいます。 革の選定・製作から完成まで、昼夜もなく取り組みましても早くて一週間~掛かる事を鑑みますと、かなり厳しいものがあります。
作り手の姿勢としては間違っていないとしても、生業としても考えたり。
実用品として屋外で使われる御客様の身になって考えればどうだろうかとも。 
 
とはいえ、2vGSの御仕事。
レザーマンとしてGS乗りとして、素材となってくれる牛達にも感謝しつつ懸命に取り組みたいと思っています。

○ GSバッグへの取りくみについて御興味がございましたら、是非こちらも御覧ください。

ファラオラリーHPN用バッグ

BMW純正バッグ修理

stovl製GSバッグ・製作と革の検証
 

お問い合わせ・製作のご依頼・ご予約は、カテゴリーの「お問い合わせ」から。
どうぞ、ご気軽に。





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by stovlgs | 2012-09-14 10:53 | R100GS専用リアバッグ | Comments(4)

GS リアバッグの革 考察と検証

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GSバッグの製作について書く前に、まず説明をしなければならない大切な事。
使用する革素材のお話です。
ユーザーさんに向けてという以上に、自分自身が納得し製作する為にも必要な考察。

現在、市場にあるモーターサイクル用革製品。
とくにサドルバッグなどバイクに装着するバッグ類の素材には、
合皮や本革が多く使われています。

合皮の場合には、気軽に使える事や価格が安くでき生産性が良い事など、利点も多くあります。
でも、質感・堅牢性・を考えますと、リアルレザーに行き着くと思うのです。

stovlが作る場合でも、やはり基本は「本革」です。
しかし、革素材には、一つ大きな課題が存在します。


「雨などの水への耐性」の問題です。
ここでいう防水とは、鞄の内側への漏水の意味ではなく、革素材自体への滲みこみの意味です。

でも、実際には世間で思われているほど、革は雨に弱いわけではありません。シミやキズ・型崩れなど、人それぞれ革に対する要求と嗜好によっても、弱さと傷みの概念も変わってまいります。
どの症例というか事態においても重要なのは、濡れた後のメンテナンスが大切という事です。濡らさないに越した事はありませんが、乾燥後の油分補充をしっかり行えば、逆に良いエイジングになる事もあります。

しかし、stovlとして製品として、実際にGS用を作る場合、やはりこの「雨対策」が大きな課題となります。
ずっと以前、自分のGS用としてバッグを作った時には、あまり気にせず雨天でも問題なく使用していました。
ファラオラリー用として製作した時には、2008・2009年と砂漠での開催という事もあり、雨の問題はなく無事終了。
その後、製品版としてGSバッグを製作する為、本気で調査研究をはじめました。
とくに日本の場合、雨天走行は避けられない気候です。
そんな環境に適したモーターサイクルバッグ用の革素材として、基準となるような指針が自分の中にあれば、より自信をもって、それに則した製作が出来ると思うのです。

ハーレーなどアメリカンバイク乗りの人達は、レザーバッグを雨でも気にせず使っています。それ以外のバイク乗りの方達は、ウエア以外に本革製品をバイクに使うという習慣はあまりないようです。
BMWにおいても、2バルヴの頃から純正品としてリアルレザー製のサイドバッグ・GS用にはリアバッグが存在していました。
私stovlサトー、それらも含め欧米で昔からラリーやエンデューロレース・日常や旅などのバイクシーン全般のなかで使われてきた革素材の製品郡に影響を受けてきました。
なので、作り手としてなるべく正確な説明ができて自分も納得できるように、革製品を日本で使う上での基準となる何かをみつけたいのです。

長くなりそうなので、今回はおもにGS用として感じた事を書かせて頂きます。

モーターサイクル用、とくにオフロードやGS系の為に適したレザーを探し歩くこと数年。
その間に巡り合った革素材やバッグを見るにつけ、雨に強い事を謳っている製品や革自体にも、脆弱性を感じる日々でした。
雨が嫌なら金属や樹脂ケースがあります。ではレザーバッグを選ぶ(作る)意味って。


それといつも気になるコトバ。
 「一生モノ」
残念ですが、そう呼べる革製品など殆ど存在しません。作り手や売り手側から無責任に何の躊躇もなく使われる言葉です。

自分の作る物も、一生モノではありません。でも、世に出た革製品のなかで最も堅牢だと思えるよう取り組んでいきたいですし、
欠点や対処法も説明できて、初めて「製品」といいたいのです。


製作がstovlの本業ではありますが、
販売したメーカーや工場に修理を断られた革製品のお問い合わせや御相談を頂くことがあります。

革製品全般にいえますが、やはりアメリカの物にはワイルドな、ヨーロッパの物には各お国柄を感じられる作りや工夫がされています。
ここでは興味深く感じたGS用リアバッグの修理と、それら作り手の取り組みと発想の一例を。

その存在にリスペクトもしている製品です。
どちらの製品も、ただ作るだけでなく、雨への対策にも努めている事が確認できました。

しかし、それは、「諸刃の剣」 である事もわかり驚いています。

私が感じた事です。参考程度にご覧ください。
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先ず、BMW純正バッグの革です。
上の写真は修理時に譲って頂いた革片。
私にとっては、より堅牢な製品を作る上で、とても大切な研究資料の一つになりました。
純正バッグ修理と改良こちらもあわせて参照頂けるとありがたいです。

今まで幾つかの純正バッグを修理したり触る機会がありました。すべての純正品にあてはまるかは解りませんが、見てきた個体はどれも同じような傷み方をしていた印象があります。
革の表面とともに、カブセフラップの可動部とベルトの曲がる箇所が、裂けてきたり表面がささくれ立つように割れている状態です。絶版になって久しいので、どの個体も長い時間が経過している物ばかりですから、致し方ないともいえると思います。
しかし、その革の傷み方を見て感じるのは、作る工程と使い勝手の両方を考えて行なった漉き掘りの処置の仕方が少なからず影響しているという事。
堅い革を使って箱状に作りあげたり、直角に曲げて構造物を作る時、カタチを整え曲げやすくする為に構造線に沿って裏面に漉き掘りを入れる製作手法です。しかし、それが革の組成密度や厚み・硬さに対して適切な深かさではなかった場合、逆に壊れやすい原因にもなってしまいす。
とくに開閉の際、負担の掛かるカブセやフラップ等の曲がる可動部分においては、とても重要なポイントとなります。

この革の表面には、雨対策のコーティングもしくは薄い箔をしてシボ模様が型押しされているようです。
新しい頃はそれなりに雨をはじきますが、縫い目やコバ(断面)に防水コートはされていませんから結局は革断面内部まで浸水はさけられません。

その結果、革内部の水分蒸発をコーティング自体がさまたげ、生乾きの状態が長く続くことにより、革にとって最も好ましくない状況になっているのではないか。
乾燥後に油分を補充しようにも表面コートのせいで、革にとって最も重要なオイルメンテナンスを出来ないことが傷みの原因になっていないか。
そんな湿潤と乾燥の繰り返しのなかで、裏側に掘った深い漉き掘りと相まって、表も裏面も革が崩壊しやすくなったのではないかと推測しました。

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そして変わりまして、こちらは純正品が絶版となった現在ユーロ方面で流通しているリプロダクト品です。メーカーは不明、刻印もありません。
こちらの製品、数人の2vGS仲間から相談を受けまして、同じメーカー製と思われる新品と使用済みの二つの個体を前に、以前から聞いていた症状の真相を確認する事が出来ました。
このリプロ品、BMW純正品とカタチ・構造・サイズがほとんど同じです。

しかし、実物のその剥離っぷりは、私の予想を遥かに超えた状態でした。
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持ち主のHさんに僕の見解を伝え了承を頂いたうえで、直せるのか確認を込めて、剥がしてみました。
0.5ミリ厚位のゴムのような合皮のような伸縮素材が強力に貼りこんでありました。細かなシボ模様もあるので、本革と思っている人も多いと思います。
a0155648_2413969.jpg純正品のところで書きましたが、
こちらの場合でも、縫い目とコバ面から染込んだ雨が表面の防水膜により乾く事が出来ずに日光熱などが加わった事が、剥離の原因だと感じました。
こちらの製品は使用期間も短いようで、革の傷みは殆どありません。

防水膜を剥がして分かった事は、コストの為か別の要因か、革への接着力を強くする為に吟面層のない床革のようなザラザラな革をボディ全部に使用していた事です。
実際強度的に充たされているのかもしれませんが、どうなのでしょう。自分としては、不安と感心の両方の感慨が・・。

通常、革はオモテ面の吟面層があることで更なる強度が確保されています。
スエードの場合でさえ、裏返して裏面側に吟面を置換える事で、強度への担保がされているのです。




私が今までGS用も含めモーターサイクル用レザーバッグを作ったり見てきた中で、この二つのバッグは、とくに印象に残る物です。
ほぼ単一車種に特化している製品とはいえ、幾つもの使いやすさと作り易さ両面への取り組みがされている事も感じさせてもらえました。
それと同時に、その対策が長期の使用や措かれた環境により破損要因にもなる事の矛盾点も。

そして、そこから見えてくるモーターサイクルレザー製品の更なる改善点と、
以前から考えてきた革素材と構造の関係性・製作の方向性についても再確認する事が出来ました。


ここ数年来、多くの皮革関係の方達に協力と助言を頂き、たくさんの革を見て触って検討を続けてきました。しかし、この革と雨との関係性は、どの専門家をしても明確な答えを持っていない事もわかりました。
私も答えにたどり着いたわけではありません。

革の防水撥水のことを考えますと、
表面のコーティングのせいで革と呼ぶには雰囲気や上質感が伴っていないものがほとんどです。
防水と謳っている革でも、ゴムやビニールコーティングをしない限りは数分間しか染込みを防げず、またコーティングが経年変化で剥がれたり割れる事もわかりました。
多くの防水革や雨に強いと言われている革も見て触って、実際に水をのせる等して撥水性の確認しましたが、
[耐水性の良い革]と[表情があり良質と思える革]が自分の中では全く一致しない事もハッキリしました。

そして思うのは、「革は皮らしく、上質な物を使い、作りづらくても手間をおしまず、正直に作る」といった当たり前のことでした。
なので、巡り巡って結局は、馴染みのあるタンニンなめしの革を使う事になります。
この革達に巡り会うのにも多くの時間が掛かりました。
タンニンといいましても、サドルレザー・オイルレザー.ヌメといろいろございます。
そして厚みと硬さ・しなやかさのある革素材を適材と思える用途と製品に使ってまいります。

これでやっと、今までネガと思えるところを対策したモーターサイクル用リアバッグ、新たに製作することが出来るようになりました。

そして防水への対策ですが。
stovlでは、防水はレインカバーで対応します。


昔から革は野外活動や軍用・登山用などで使われてきました。
それらは殆どがタンニンなめしを主体とした堅牢なヌメ革で作られていました。
そして、どれもがカッコ良いですし、完全な防水処理なんてされていません。
使用後、油分補給などのお手入れをして頂ければ、少し濡れた位では問題ないと考えます。

革のホントの表情と良さを味わってください。
もし傷んだら、僕が直します。
だって修理も出来るよう考えた製法と構造にしてあるのですから。

Λ.一番上の画像ですが、牛の半身、半裁です。
  stovl製のリアバッグですが、長期の使用を考え良質な部分だけを使用します。
  実質、牛一枚から一つのバッグしか作れません。

  その辺の説明はまた次の機会に。















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by stovlgs | 2012-07-13 18:30 | R100GS専用リアバッグ | Comments(0)